市町村合併についての私見

(平成14年度12月議会報告より抜粋)


1.はじめに

国では市町村合併の必要性について「住民の日常生活圏の拡大」、「少子高齢化の進行」、「新たな行政需要の発生」、「地方分権の進展」及び「厳しい財政状況」を挙げている。
いわゆる国と地方のあり方を地方行財政改革と称し、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源移譲配分のあり方を三位一体で改革する案である。
この改革の受け皿となる自治体の行財政基盤の強化が掲げられている。
合併すればこれらの問題がすべて解消され、合理的に効率的に行財政の運営が図られるとしている。
確かに都市部の人口密度の高い自治体が複数合併すればそのような効果があると考えられるが、山間部の町村はどうであろうか。
人口密度が極端に低く、さらには老齢化が急速に進んでいる。
道路網などの社会資本の整備も、都市部と比較してかなりの遅れがみられる。
これらの町村が複数合併しても、問題は解消されるのでろうか。
北海道では複数の町村が合併することにより、首都圏の都府県より面積が大きくなってしまう。
そのため逆に行政効率が悪くなり、合併に踏み切れない自治体がある報告されている。

地方制度調査会の審議案には、「小規模市町村は、基礎的自治体としての機能」「大都市は政令都市化」「都道府県は道州制」の案がある。
また副会長の西尾私案では、合併特例法の期限である平成17年3月31日以降は、合併特例法は延長せずに小規模町村には窓口業務のみを残してその他の業務は近隣の大都市や県が代行することや、さらには第二段階の基礎的自治体としての強制合併を私案として出している。
財政の厳しさや、合理性での合併はいかがなものか。
地方があって国がある。
ボトムアップが必要な時代トップダウンでは住民は納得しない。

2.猪苗代町の現状は

猪苗代町の財政状況は、平成13年度決算で歳入は96億2千万円。
そのうち自主財源の割合30.8%、依存財源の割合69.2%で依存財源の割合が年々増加している。
歳出は93億3千万円。
義務的経費と経常的経費をあわせると53.1%で、行政のランニングコストとして49億6千万円かかっている。
これは自主財源の29億6千万円だけではとうてい賄いきれない額となっている。
これを補填するために地方交付税の30億円があるわけであるが、これについても国の方針により年々減額されてきている。
先行き不安な財政状況となっている。





人口の推移としては、17,721人で減少傾向である。
よほどのことがない限り人口の増加は見込めない。
さらには老齢化率も約27%となっており、加速的に高齢化が進むものと考えられている。
当町においても例外なく急速に少子高齢化社会に突入していることが伺える。
これは、納税者が減少し受益者が増加していくことを意味するものである。

3.まとめ



当町においては国の動向や現状を踏まえながら、合併の是非を判断しなければならない。
合併をするのであれば「どこ」と「どのような」合併をすれば、住民の負担を増加させることなく行政サービスを維持向上できるのか。
合併しないのであれば、自主財源の確保が必要であるため、地場産業の観光関連産業の更なる活性化が必要であり、自己決定.自己責任の自治意識が必要になる。
合併しなくても住民の負担を増加させることなく、また現状の行政サービスを低下させることなく行財政運営できるのかを明確にしなければならない。
どちらを選ぶかについては自治体として明確に判断をし、住民に理解を求めながら進めていかなければならない。

合併しないで行政運営をすることは、猪苗代町の急速な少子高齢化の実態や今後さらに進む財政状況の悪化等の要因から、今のままでは非常に難しいものがあると考える。
地形、環境、気候風土、歴史、水系、、、これらの共通意識での合併は理想であるが、一時的な3万人規模での合併では政府が掲げる「基礎的自治体の条件」にはならない。
その結果、第二の合併がすぐ来ることも考えられる。
行政の果たさなければならない役割「住民への行政サービスの充実」を重視するなら、自然条件や歴史等にとらわれずに、中核市である「郡山市」との合併を考えるのが自然であると考える。